

QHRダイレクト法は、機械(先進の自毛植毛機械「ニューオムニグラフト」)を使用したFUE ( Follicular Unit Extraction ※1 )です。
1個1個のFU(Follicular Unit:毛包単位)を機械で採取して、そのまま植えていくという方法です。
この方法をダイレクト法と呼んでいます。
普通のFUEは手で一つひとつパンチ(毛髪採取用の器具)を使って採取していきますが、それに対してダイレクト法では機械を使用して採取するため、採取する時の速さが全然違います。
そして一番大きなメリットは、採取する時にグラフト株(移植片のこと)を傷つけないということです。
手で採取する方が丁寧だと思われがちですが、手作業ではパンチで採取する際に角度が変わるなどしてグラフトを傷つけてしまうことがあります。
しかしダイレクト法は、電動パンチを用いるので角度を変えることなく、グラフトを傷つけずに素早く採取することができます。
※1 FUE(毛包単位でドナーヘアを摘出する方法)

1回の手術である程度結果を出すのがここ2年くらいの世界的な流れになっていて、1回で植毛できる密度が高くなっています。
それを可能にしたのもダイレクト法です。
手作業で採取したものと比較すると、ダイレクト法で採取したグラフトが、いかに無駄がないキレイなグラフトかがわかります。
無駄な組織のついていない、必要なものだけがついた「スリムなグラフト」なので、間隔を詰めて植えることができます。
従来の植毛では一般的に約30%の密度と言われていますが、ダイレクト法では50%近い高密度植毛が可能で、1回の手術でも満足度を上げられます。

従来のストリップ法では後頭部の皮膚を切ってドナー(植毛する基になる毛髪)を採取し、術後に縫い縮めなければなければならないので、たくさんのドナーが取れませんでした。東洋人でしたら1500~2000グラフトまでが1回で採れる限界だと思います。
それを越えて採取すると傷跡が汚くなってしまいます。
それに対してダイレクト法では、ドナーの採取に0.8ミリほどの小さい穴をあけます。3日位で穴が縮み、目立たなくなります。
後頭部から間引きするように採取するので、1回で最大4500グラフトまで採ることができます。
ただ残念なことにダイレクト法は手間がかかりますので、時間的には1日で2500グラフト程度が限界になります。
1日目に2500グラフトを移植し、一度帰宅して翌日に残り2000グラフトを移植、という方法で2日間に渡って手術を行えば可能です。
QHRダイレクト法は後頭部の毛髪を毛包ごと吸引採取する為、採取部を短く刈り上げることになります。
この患者様の場合、1,600グラフトの採取・移植のため、後頭部全体を短く刈り上げています。
この患者様は約1年前QHRストリップ法を受けており、後頭部からドナーを採取し縫合した跡が薄く白く見えます。
ストリップ法でのドナー採取した場合、このように髪の毛を短く刈り込んだ場合縫合跡が分かるが、年数が経過することで薄く目立たなくなっていきます。
緑のラインは、毛包を吸引採取する箇所の目安としてマーキングされたものです。
このマーキングされた範囲の中から、バランスを考慮しチューブパンチで毛髪を毛包ごと1本1本吸引採取していきます。
手術後翌日の消毒時の写真です。全体的に赤味がかって見えるのは、吸引採取したあとです。
ただ、採取後の後頭部の腫れはほとんど見られず、出血もほとんど見られません。
直径0.8ミリの吸引チューブパンチを使い毛髪を毛包ごと吸引採取するので、短い時間で採取した部分はふさがります。
また、全体的にバランスを考慮し毛髪を吸引採取しているのが分かります。
後頭部の毛髪採取部分の赤味が徐々に引いているのが分かります。
髪の毛を刈り上げてから4日目で採取していない部分の毛髪が伸び始めています。
まだ、全体的に刈り上げている部分が目立ちますが、翌日の様子と比べると、だいぶ落ち着いてきましたが、まだ少し違和感があります。
吸引採取部の赤味はほとんどといって良いくらい引いています。
また、周りの毛髪も徐々に生え始め、刈り上げた部分も少しずつですが落ち着き始めていることが分かります。
吸引採取した部分は直径0.8ミリのチューブパンチによって採取されているため、術後1週間でこの通り収縮して目立たなくなります。
手術後2週間過ぎると、刈り上げた部分の毛髪が伸び、手術翌日の写真に比べても全体に黒く生え揃ってきているのが分かります。
毛髪を採取した部分もしっかりと収縮し、ほとんど分からなくなります。
あとは周りの毛髪が伸びてくるのを待つだけになります。
後頭部の採取していない部分の毛髪が生え揃ってきているのが分かります。
個人差はありますが、通常3週間経過すれば、5ミリ~8ミリ程度伸びるので、この時点でダイレクト法での毛髪採取部分は分からなくなります。
後頭部の毛髪もおよそ1cm程伸び、この時点でダイレクト法による後頭部の採取部分跡は分からない状態までになります。
また、刈り上げた部分の違和感もほとんどなくなり、全体のバランスもとれてきています。
ストリップ法による後頭部のドナー採取部分も分からなくなっています。
QHRダイレクト法の手術は、このように後頭部を刈り上げた場合でも、約1ヶ月程度で違和感もなくなります。
手術後2ヶ月経過すると、写真のように全くといっていいほど自然な仕上がりになります。
通常人間の髪の毛は1ヶ月に1cm程度伸びるといわれているので、2ヶ月経過すればご覧のように全く分からなくなります。
この患者様は"なるべく後頭部の毛髪採取部分の刈り上げが目立たないヘアカット法"で、1000グラフトを採取・移植しました。手術後翌日ということもあり、吸引採取部分は赤味が残っています。
このように2箇所から吸引採取する箇所をつくることで、広範囲にわたり後頭部を短く刈り上げることなく、ダイレクト法が受けられるというヘアカット例の一部です。
毛髪の吸引採取部分を2箇所に分けたことにより、狭い幅での採取部分のみのヘアカットで済み、髪の毛を下ろすだけでこのように毛髪の採取部分は分からなくなります。
後頭部の毛髪が3cm以上ある方であれば、このように刈り上げた部分を十分カバーすることができます。
髪の毛をかき上げない限り全く分かりません。後頭部を全体的に短くすることが出来ない方には、このように後頭部をカバーするヘアカットでQHRダイレクト法を受けることができます。

ダイレクト法で採取したグラフトは、手で採取したものよりも格段に無駄なくキレイです。
毛根の「切断率」と「生着率」は必ずしも比例するものとは言えませんが、グラフトそのものの品質、例えばキレイさ、新鮮さ、生命力の高さは、「生着率」に関係します。
その点でダイレクト法はどれ一つをとっても欠点がないかと思います。
このダイレクト法は現在アイランドタワークリニックでしか行っておりません。

唯一のデメリットとしては、ダイレクト法では後ろの髪をバリカンで刈らなければなりません。
なぜかというと、皮膚の下にある毛の角度を調べるために、表面に出ている髪を短くする必要があるのです。
100~200グラフトの移植なら、髪を刈る範囲が狭いので他の髪で隠せますが、1000グラフトを超えた移植の場合は、ほぼ後ろ髪が刈上げた状態になってしまうので、髪型に対して抵抗がある方もいます。
ただ、髪を短くしても傷はそれほど目立つのもではありません。
髪を短くするという点が気にならなければ、傷自体は4日過ぎれば殆ど目立たなくなります。
2週間くらいすると髪が伸びてきますので、さらに傷は気にならなくなります。